マジェスティS ダンロップ TT93GP 前後タイヤ交換
今までマキシスのMA-R1を使用していたのですが、ワインディングの下りブレーキ時にフロントが滑るケースが何度も出てきました。タイヤの溝もまだ残っており、タイヤはある程度温まっている状態であるにも関わらず、徐々に荷重をかけてブレーキングを行っている途中でズルっと唐突に滑ります。幸運にも転倒はしていないのですが、明確な原因がわからず怖いので前後タイヤを交換することにしました。
※ブレーキパッドは前回記事のメタリカに変更前です
13インチハイグリップタイヤの情報収集
今までマキシスのR1を使用していたので、まずはスクーターの本場、マキシスの台湾サイトを覗いてみました。すると、R1は台湾ではメジャーなタイヤでしたが、発売が2010年で古いということなのか、既にカタログ落ちしていました。日本国内も13インチのMA-R1は入手が難しくなっているようです。
代替品として、現在では13インチでスポーツ指向のタイヤとしては以下がありました。ただ、リア用サイズは140/70-13が無くなっており、130/70-13のみの展開となっています。マジェスティS以外の車種でも基本は130/70-13が標準なので需要が無いのでしょう。
MA-XR1がよりドライグリップに特化しており、S98 Sportはウェットの路面にも強いようです。MA-R1がリリースされた後、MA-F1がリリースされ、更にその後継がMA-XR1のようです。MA-XR1は12インチの一部がサーキット仕様ですが、13インチは街乗り仕様のタイヤでコンパウンド等が異なります。しかしMA-XR1は日本国内で取り扱い店は無く入手が困難でした。
メーカー | 品名 | フロントサイズ | リアサイズ |
マキシス | MA-XR1 | 120/70-13 | 130/70-13 |
マキシス | S98 Sport | 120/70-13 | 130/70-13 |
次にハイグリップ系として候補に上がったのがピレリのディアブロ ロッソ スクーターです。13インチは”SC”が付いていない街乗り仕様です。ラインナップが豊富なのが特徴で、日本国内でもサイズによっては入手できそうな感じでしたが、後述するダンロップのTT93GPの方がドライグリップは良いようなので選択肢から外しました。
メーカー | 品名 | フロントサイズ | リアサイズ |
ピレリ | DIABLO ROSSO SCOOTER | 110/70-13, 120/70-13 | 130/70-13, 140/70-13, 150/70-13 |
中国のティムソンからもハイグリップを謳ったタイヤが出ていました。こちらもラインナップは豊富。しかしレビューがほとんど無く、本当にハイグリップなのか判断できず選択肢から外しました。
メーカー | 品名 | フロントサイズ | リアサイズ |
ティムソン | TS660 | 110/70-13, 120/70-13 | 130/70-13, 140/70-13, 150/70-13 |
選択したのはダンロップのTT93GP
結局選択したのは入手が容易で比較的安価な定番ハイグリップタイヤ、TT93GPです。TT93GP自体はかなり昔からありますが13インチはシティユースタイプでコンパウンドが耐久性重視のものになっています。購入したサイズは、フロントが120/70-13、リアが130/70-13です。今まで履いていた140から標準サイズの130にサイズダウンしました。サイズはF/R共に1サイズ展開なので選択肢が無いのは少し残念です。
メーカー | 品名 | フロントサイズ | リアサイズ |
ダンロップ | TT93GP | 120/70-13 | 130/70-13 |
約5,500km走行したマキシス MA-R1
交換前のR1は約3年間使用、走行距離は約5,500kmでした。製造はF/R共に2018年と古いので経年劣化もあったのでしょうか。フロントサイズは120/70-13で同じ。
リアサイズは140/70-13。標準より1サイズアップです。中央部が最も減り少し台形になっていますが、ハイグリップとしては摩耗の進行が遅かったように感じます。
TT93GPをホイールに装着
今回のTT93GPは2023年の前半に製造されたものでした。気温20℃位の冷間時に触り比べた感じだと、トレッド面はMA-R1に比べTT93GPの方が硬いです。空気圧は前後両方共に純正指定の1.75kgに設定。MA-R1の時と同じです。
200km走行後のフロントとリアの状態
フロントタイヤの溝は細めです。現行タイヤだと同じダンロップのα14とパターンが似ている気がします。ワインディングを走行すると、サイドはハイグリップ系タイヤのざらついた消耗の仕方をします。
リヤはフロントより溝が太く深いのが印象的です。140だった時と比べると細くなり若干迫力は減りますが、パターンはTT93の方が好みです。コンパウンドは街乗りを考慮したラジアルのハイグリップのように、センターとサイドで異なるデュアルコンパウンドではなさそうです。センター付近の溝についても削れる傾向が出始めていました。もしかするとMA-R1より寿命が短いかもしれません。5,500km程度走行したら状態を掲載したいと思います。
バンク角について
タイヤをホイールに装着した際の140サイズMA-R1と130サイズTT93GPの外径をざっくりですが測定したところ、MA-R1は516mm、TT93GP506mmでした。MA-R1は減っている状態ですが、車高だと半径の差で5mmということになります。横幅は計測していませんが、他社タイヤのデータ上から左右でそれぞれ5~10mm程度太いことになります。使用したタイヤを見ると同じバンク角でも140の方がサイド部分に余裕があり、より深くまで寝かせられるはずなのですが、マジェスティSはサイドを使い切る前に車体が路面に接触するので活かしきれません。
私のセンタースタンドは加工してあり、最初に路面と接触するのがセンタースタンドのバー部分(左)、ラジエターカバー(右)なのですが、140と130、どちらもラジエターカバーを擦るタイミングのバンク角で旋回性のフィーリングを比較しましたが違いがわかりませんでした。よって、140にしたからといってバンク角が上がってその分旋回性が向上するというとは無い(もしくはほとんど違いは無い)と考えています。
タイヤ交換後の前後車高バランスはこのような感じです。以前、フロントは見た目重視もあり18mm(!)突き出ししていましたが、しばらく前に0mmに戻しています。リアはローダウンブラケットで少し車高が下がっていますが、フロントフォークスプリングがデイトナのコンフォートスプリングなので、乗車時にフロントが少し下がり気味になります。
交換後の使用感
ワインディングに行って試してきました。リアは細くなって切り返しの軽快な感じが出ると期待していて結果その通りであるものの、そもそも新品なので交換前と比べると軽いのは当たり前ですね。慣れてくると140と比べてそんなに大きな違いは無いかなと思ってしまいました。
乗り心地はMA-R1よりも硬くなりました。スプリングのバネレートを上げたような感じで、TT93GPの方が剛性が高い感じがします。ですが乗り心地が悪いというほどではありません。
コーナリング時、タイヤが温まった時のグリップ感はシティユースですがしっかりあります。立ち上がりもMA-R1の時と同じ感じでスロットルを開けていっても滑り出す感じはなく、下り坂のハードめなブレーキングでも滑ることは一度もありませんでした。私がワインディングで使用する分には十分なタイヤだという結果です。