ローバーミニ エンジンオーバーホール2

2022年9月19日

高速での4速全開走行時にエンジンブローしました。抜かれたM3に付いて行こうとしたのが間違いでした・・・。
場所は若干の上り坂で高速コーナーが連続するような場所でした。急にエンジンが吹けなくなりそのまま路肩に停止、アイドリングはまだしていますが止まりそうです。その時は電動ファンが回っており、水温計を見ると100℃を超えていました。走行直後の水温では考えられない温度です。一旦エンジンを切り、少し休んだ後再始動すると問題なくアイドリングしたので、とりあえずそのまま走行しました。帰宅後にエンジンルームを覗くと、冷却水がヘッドの間から吹き出していました。
プラグを外してみます。なんと4番プラグの頭が吹き飛んでいました。電極はガイシの奥に残ってますが、こんな状態でも点火できていたとは・・・。
結局ブロスガレージに入院となり、検査の結果エンジン下ろしの修理が必要になってしまいました。下記はバラした後の4番ピストンです。この裏側にも溶けている部分があります。この状況から、異常燃焼が発生していたのは間違いなさそうです。
4番シリンダーの内壁部分も溶けています。長い線は圧縮が抜けていることを意味します。また、ヘッド側の吸気/排気バルブ間にも亀裂が入っていました。問題は4番シリンダーのみで発生しているようです。
修理メニューは非常に悩みました。発生前のそのままの状態に戻すか、それとも・・・・。
結果、最終的に下記メニューでの修理(パワーアップ?)となりました。
・ドライデッキ化
・ブロスチューニングヘッド ステージ2.5
– チャンバーボリューム19cc
– 燃焼室加工
– AD30エキマニ用排気ポート合わせ
– ISKYダブルスプリング
– バルブサイズ IN 36.5mm(キャブクーパー用)
・ケントガレージ カーボンヘッドガスケット
・オメガ鋳造ピストン +40(1310cc)
・コンロッド軽量/バランス加工
・クランク軽量/ダイナミックバランス加工
・ロッカーカバー加工
・ブローバイタンク加工(ドライデッキ装着の為)
・ブロス オイルバッフルプレート
・イノベート LX-2 空燃比計キット
・BPR7EIX
・強化オイルプレッシャースプリング
・オイル/エレメント交換
・クーラーガス/ワコーズパワーエアコン
・TTRエアクリーナー ブルー+ブロスガレージブランクプレート
今回取り付けた部品の一部を紹介します。ブロスガレージのオイルバッフルプレートです。長い高速コーナー時のGによるオイルの偏りを極力防止します。センターピックアップも候補でしたが、ミッションをバラさない場合はこちらの方が安価です。
オメガ鋳造ピストン+40です。シリンダーのボーリングが必要なのでオーバーサイズ40にしてみました。鍛造よりも軽量な鋳造です。
ケントガレージのカーボンヘッドガスケット。レースでも使用可能な高耐久ガスケットです。
ドライデッキ化しました。インジェクションでドライデッキしてる人は少ないのでは。今回の問題は冷却が弱いとされる4番シリンダーで発生しています。ドライデッキ化により冷却水の流れを変え、均等にエンジンを冷却することが可能になります。またウォーターポンプの負荷も減らせるそうです。ホース間のジョイント部はワンオフ。エア抜き用ドレンが付いています。また、ドライデッキ化すると純正のブローバイタンクが邪魔で付かないらしく、後ろの黒いタンクもワンオフで作成してもらってます。
ブロスチューニングヘッド、ステージ2.5です。
排気ポートはブロスのAD30エキマニに合わせてます。
イノベート LX-2 空燃比計(A/F計)です。空燃比アンプLC-1 と XD-16モニターがセットになったもの。今回の問題が異常燃焼によるものなので、絶対に付けたかったパーツです。燃焼状況の監視やチューニングに幅広く利用でき、安心して全開にできます。PLXとも迷ったのですが、海外の評価結果でイノベートの方が優れていたのでこちらにしました。
モニターをチェックしている限り、イノベートの空燃比計は精度が高いようです。エンジンが温まった後のアイドリング、パーシャル時は14.7前後でしっかり安定しています。
ブロスガレージのアルミロッカーカバーセットです。BMCグリーンにペイント。以前から付けているグレイストンのアルミロッカーカバーを加工してもらいました。
ネジ式キャップによりを確実にロックできます。 グレイストン標準のキャップだとすぐ滲んできてしまうんですよね。
慣らしは最初の1000kmは3000rpm以内、3000kmまでは4000rpm以内で行いました。最初のオイル交換は1000kmで実施です。
この他にも写真はたくさんありますが、ショップ独自のノウハウもあるかと思いますので掲載は控えます。さてオーバーホール後のインプレですが、全く別物のエンジンになりました。最初にクラッチミートした瞬間に違いがわかりました。トルクが強く、今までは吹かさなければ登らなかった坂をアイドリングだけでグイグイ登っていきます。慣らし後の全開時は言うまでもありませんね。